教育の理想を求めて

組織の原則



最近、組織の運用術ばかりが重んじられて、基本原則が蔑ろにされる傾向がある。組織の運用術は、組織の基本原則が熟知され守られていて初めて効果を発揮する。

組織は、集団活動である。
組織は、合目的的体系である。
組織は、情報系である。
組織は、状況、段階、過程、環境に応じて変態する。
組織においては、正当性を著しく欠いたり、指揮者が正常な判断を下せないと認められた場合を除き絶対的な服従が要求される。
指示・命令の不履行、抗命は最も重い処罰を受ける。
組織的意思決定の系統と指示命令系統は必ずしも重ならない。
なぜならば、組織的意思決定は、分業に基づいてなされるが、指示・命令は系統的になされるからである。
権限を委譲されたからと言って勝手な判断、勝手な行動が許されるわけではない。権限は、固有な力でなく、組織的な力だからである。

組織では、結果よりも過程を重視する。

組織は過程を体系化した事である。

マネージメントというのは過程、プロセス管理を言う。
組織設計はプロセスの設計を下地にしなければできない。

結果より過程を重視すると言っても、結果を軽視していいというのではもちろんない。
結果も重要である。しかし、結果よりもより重要なのは過程だという事である。
大前提は、組織は、集団活動だという点にある。
組織では、組織的に決定し、組織的に活動する事が要求されるので、いくら個人的に正しいことを主張したとしても組織がそれを受け入れなければ、組織域には間違いだという事にされてしまうのである。

勘違いをしている人の多くは、結果を重視して過程を見ない。
過程を無視していきなり結論を求めようとする。また、一回一回、完結した結論を出そうとする。
目的や目標は、一つの標的である。会議のようなイベントは、一つの通過点に過ぎない。出された結論は、過程の上に成り立っている。前後左右の人と仕事を見ないと本当の役割を理解する事はできない。

組織では、人は、全体の部分を構成している。
故に、組織では、自分立ち位置、役割を常に確認する必要がある。
今、全体はどの段階にあるのか、それに対して自分はどこに位置していて、どの様な役割を求められているか、それを正しく理解していないと組織の中では、阻害要因となり、組織からストレスがかけられる事となる。

仕事の打ち合わせでは結果より段取り手順といった過程を重視しなければならない。
なぜならば、結果は操作できないが、過程は、操作することが可能だからである。

結果と結果を結ぶ、つまり、点と点を結ぶような仕事では、神経をむき出しにしたような状態となる。結果と結果とのつながりが希薄となり、個々の要素がばらばらに分解してしまうからである。

ただ、打ち合わせしました。話をしましたというのは、何の意味もない。意味がないどころか、自分は、仕事をしたような錯覚をしてしまうから、かえって弊害になる。
結論もはっきりできず、確認も取れないような仕事は、締り、始末が悪い。締り、始末の悪い仕事はだらしなくなる。

仕事には順序がある。
仕事の順序が、段取り、手順、手続きの本となる。

予算や目標、方針は、結果ではなく指針である。予算や目標、指針を結果が出なければ決められないというのは大変な錯誤である。
結果は結果である。出た結果をとやかく言うよりも、結果に対してどのように対処するかの方が重要なのである。
自分たちが望む結果を出すために、どの様な道筋、道程を踏むのか、それを管理するのがマネージャーの仕事なのである。

だからこそ、組織では論理、アルゴリズムが重要なのである。

組織は、要所、要所の決定権者、指示者の決定、指示によって動かされている。
だから、指導者がいかに適切に決定を下し、それが実行可能な指示として出されるかが、組織の運命を決めるのである。

故に、要所・要所を絞めるのが、指導者の役割である。
ところが、間に立つ者が、逆ねじをしたり、結論や指示を出し渋り、あるいは怠る事で、要所・要所をかえって緩めてしまう者がいる。この様な行為は、統制を乱し、規律を損なう事である。
間に立つ者が厳に戒めなければならない行為である。

決定権者に求められるのは、経験差と立ち位置の差である。
一線に立つものより経験が豊富で、また、一線の後方で全体を見渡さる立ち位置に立つから個々のミス、部分的ミスを発見し修正する事ができる。

ミスを少なくするのが、マネージャーの仕事だといっていい。
気を付けなければならないのは、ミスを犯してはならないという事ではなく。ミスは、犯すものだという事は前提である。
指導者に完璧さを求めるのは間違いである。
完全無欠なのは神である。
指導者は人である。
人に完璧さを求めるのは傲慢である。
人は、神にはなれない。
人は完全ではない、間違いや過ちを犯す。
ミスを犯しはならないというのではなく。
ミスをした時、その後いかに適切な処置をするかが、重要。そのためには、いち早く自分のミスを認め、訂正する事なのである。

しかも、指導者はミスを犯しやすい。
なぜなら、決定権者だからである。決定は、瞬時に直感的、主観的に下される。
指導者に決定すべきことが集中する。だから、極端な話、ミスを犯すのは決定者だけとも言える。だから決定権者は責任者でもある。
指導者がミスを受け入れなくなったなら、その時、組織は破綻すると言っても過言ではない。
だから指導者がミスを恐れるようになったら、組織は統制を失うのである。
そしてそれはかえっとて独断を招く。

決定した事の正否は、結果でしかわからない。つまり、実行されなかったことは、結果はわからない。
何が正しくて、何が悪かったかは、結局最後まで分からないのである。
要するに、一緒に行動する者たちが納得できるかどうかの問題なのである。
皆が納得できない事態になれば、組織は、自壊するのである。

なぜ、責任者には権限が必要なのか。
決定事項に対して、違う意見考え方を持つ者は必ずいる。
一人は、全員に合わせる事はできないが、全員は、一人に合わせる事が可能だからである。
組織は決定権者のところで統一するしかないのである。
それが前提なのである。
違う意見考え方の者にとってミスと言えばミスになる。

話しやすい環境をつければ建設的な意見が出るとか、自発性とか自主性をとか最近、厳しさを否定する考えが横行している。しかし、いくら話しやすい環境をつくったところで当人に話す意思がなければ意見などでてきやしない。妙な物分かりのいい振りはやめるべきだ。
自分は、かつて後輩に僕に会うまでは壁になる先輩はいなかったと告白した。相手に迎合したり、媚を売ったところで、相手が自分を受け入れるわけではない。
自分が何に対して責任を負っているかが重要なのである。

思い、言葉、行動を変えなければ何も変わらない。
全員の意識が変わらなければ、組織は、変わらない。
計画を変えなければ、組織は変わらない。
やる事を変えなければ、組織は変わらない。
決めたことを実行しなければ組織は変わらない。



組織とは


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