教育の理想を求めて

チーム・ワーク


何かというと話を聞かないと文句を言う人間に限って、仕事を任されると人の話を聞かなくなる。
人の話を聞かないというのは、要は自分が言いたい事を聞いてくれないとっているに過ぎず。人の話を聞かないのは、自分に自信がないからである。
そういう人間は、人に任せろというと、全てを丸投げして報告を聞こうともしなくなる。
突き詰めてみると対話ができないのである。

共同で仕事をするという事の意味が分かっていない者が増えている。
つまり、チームワークができないのである。

今の学校教育に原因がある。
今の学校教育は、集団活動を必要としていないし教えない。
だから、子供達は組織の本質を理解しないうちに成人する。

チームワークは、仕事を共同で設計するところから始まる。
共同して仕事を設計する事を通じて共通認識を作り、連帯感や個々の役割責任を理解させるのである。
チームワークで大切なのは、過程である。
ところが今の学校教育は、結果しか求めない。
試験は孤独なのである。
試験勉強も試験も一人でやって一人で責任を負う行為でしかない。
だから、学校教育からはチームワークははぐくまれない。

チームの指導者は、メンバーに優柔不断だと思われる事、臆病だと思われる事が一番怖い。決断力がないと思われたら、メンバーは不安を抱くし、臆病だと思ったら従わなくなる。
重要な事は、指導者はどんな局面でも間違ってもいいから決断し指示を出し続ける事なのである。
決断力がなく、臆病だと思われる事をなんとしても避ける必要がある。

組織の仕事には縦線と横線がある。縦線というのは、ここの担当者がやる作業の筋道、手順である。それに対して、横線というのは、ここの担当者を結び、統括制御する線である。
マネージャーが読まなければならないのは、主としてこの横線である。

縦線というのは、自分の仕事の手順をいう。縦線ばかりを読んでいると一本調子、一本道、一本筋、一本線になり、全体を見失って行き詰まる。また、仕事が矮小化する。
横線は、他の部署との連絡線、合流点。中心線が決まったら、枝葉をつける事で仕事に奥行きや広がりが生じる。

横線は、作業を画定し、期限、日限を切る。それによって仕事の段取りと組織の仕切りがとれるのである。
それが、組織と日程の枠組みを関連づけ作るのである。

縦線と横線を綾なす事で組織は機能する。そのセンターの役割を果たすのがマネージャーである。

作業には、始点と終点がある。また、前後左右がある。
作業は、やってから決めるのではなく。決めてからやるのである。すなわち、管理者の決断が先なのである。実行してから指示をするのではなく。指示をしてから決めるのでもない。
ところが、この前後が解らない管理者、責任者がいる。それは、明らかに責任の放棄である。
また報告は結果、結論が出てからする事であり、結果、結論が出る前にする事ではない。
いかなる報告も結果、結論が出たら速やかにする事であり、報告を聞くのは管理者の義務である。報告のない事はやっていない事、いくら仕事が終わっても報告がなければ正式には終了した事にはならない。また、報告を聞かない事は、結果、結論に対して責任を持たない。もてない事を意味する。故に、億劫がって部下の報告を聞かないのは、責任を放棄する事である。

点と線を結ぶような仕事は避けなければならない。況んや、結びつきのない点でしかない仕事は、最初から脈絡がとれないから、失敗を招くだけである。まず全体像を明らかにし、筋道を作ってから仕事をすなければならない。
仕事の段取り、つまりは地図を書いておかなければすぐに道に迷う事になる。ゴールを明らかにしないで仕事を始めれば確実に遭難してしまう。
それは計画以前の話である。

始点、中継点、連結点、終点に管理者の仕事がある。
今日やるべき仕事は今日中に片付けておく。
事務は管理である。

仕事には順序、並び、前後、筋がある。
前後、順番を間違えると全てをやり直さなければならなくなる。
筋が違えば辻褄が合わなくなる。並びが悪いと効率が悪くなる。
並列的な組み合わせ、直列的な組み合わせ、入れ籠にしたり、互い違いにしたりして全体の調和を保つ事が肝要なのである。
直線的にのみ見ていたら、全体は見えてこない。
問題は、人、物、金の組み合わせである。
同時性や同時並行作業をどうこなすかが重要となる。
その意味で仕事は芸術的ですらある。

自分の仕事は、自分の形を作り、形で仕事を覚える。不器用でいい。

仕事は大局観を持って着手しなければならない。
着眼大局、着手小局。。
仕事には、全体と部分があり、それぞれ関係があり、影響し、連携し合っている。
近視眼的に物事にこだわると全体のバランスを壊してしまう。
仕事は、バランスが大切なのである。

仕事には起承転結がある。
仕事には、序盤、中盤、終盤がある。

序盤には序盤の形、中盤には、中盤の形、終盤には、終盤の形がある。
定石、形をまず覚える。

落としどころ、詰め形を間違うと仕事はけじめなく終わらなくなる。
常に核心を突く。

前哨戦、序盤であは、お互いの立ち位置、ポジション、布陣を確認する時で、いきなり条件闘争に持ち込むべきではない。
序盤というのは、まず駒組み、攻撃態勢と同時に防御態勢をどうくむかのバランスが大切で、相手の出方を見ながらこちらの布陣を決めていく。

全員が守備位置につく前にボールを投げるな、全員が守備についた事を確認してボールを投げろという事である。
まずやるべき事を決めてから作業にかかる。全員が準備が終わらないのに作業にかかるな。

序盤は、小手調べしかできない。いきなり本論に入ると準備が整っていないから最初から潰れてしまう事がある。
相手に突っかけるにしても飛車先の負を捌くか、角道を通すかという程度、いきなり角交換という大技はあっても即中盤、終盤というわけにはいかない。
互いに落としどころを模索しながら基本的体制を組む。
序盤では、落としどころを互いに探っていり、構想を持って設定する。

共同して事業をやる時は、最初から組織対組織の関係を構築して基本的な考え方、経営方針を一致さて一体となって新しい事に取り組んでいく。そのためには、いきなり、やるのではなくてある程度段階手順を踏んでいく。
駒組みが過ぎて配りができたら、どこから、どの筋から、どう、何を、どのように仕掛けるかが決まる。そうすれば手詰まりになる恐れはないし、膠着状態に陥っても逃げ場がある。

仕事には文脈、脈絡、関係がある事を忘れてはならない。
仕事には全体と部分がある。
仕事は、まず全体を明らかにし、道筋を確認してから作業にかかる必要がある。
組織的な仕事をする時は、絶えずメンバーは、互いに声をかけ相互の位置を確認しながら進める必要がある。



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