チームワークや集団活動を学ぼう

チームワークや集団活動を学ぼう



社会生活を営むためには、集団活動はかかせない。
集団活動の中でも組織活動は不可欠である。
なぜならば、社会は無数の組織が重なり合ってできているからである。

二人以上の人間が協力して何らかのことを行おうとすれば必然的に組織が生じる。
組織は、夫婦から、家族、学校、会社、国家とあらゆる局面に存在する。

組織は、情報によって機能している。つまり、組織は情報系だと言える。

情報は、伝達されることによって機能を発揮する。
故に、情報は伝達される範囲、及び、手段によって制約を受ける。

情報は無形で目に見えないものである。

組織の操作、即ち、マネージメントの基礎は形、即ち、形式にある。
マネージメントは、形から入るのである。
意志決定とか思考とか、判断という行為や主旨、目的、基準、考え、方針といった観念は、基本的に無形である。つまり、目に見えない。だから目に見える形に置き換える必要がある。

意志決定も組織的に為されなければ組織は機能しない。
意志決定には、順序があり、各局面の立場や役割、分担がある。順番には時間が関係し、立場や役割、分担には、権限と責任が関係する。

組織では、自分一人で決めたとしても、組織がその決断を認知しなければ、それは決定したことにはならない。故に、組織的決定では形が重要になるのである。また、手続きが必要なのである。

組織は集団からなる。集団とは、複数の人間によって構成される。つまり、指揮者の指示内容を構成員全体が認知する必要がある。この様な指示も無形であるから、何らかの形、象徴的な形や行為、信号、記号に置き換えて全体に示す必要がある。組織が認知しない決定は、機能を発揮することはできない。

決定というのはそれだけでは目に見えないことである。
目に見えない意志決定を目に見えるようにする必要がある。
なぜならば、組織的決定というのは、必要に応じて必要範囲の関係者全員が、決定された事柄を認知する必要があるからである。
そのためには、組織決定の内容を必要な人間に伝達周知させる必要が生じるのである。
好例が権限の委譲である。権限を持つ者が権限を特定の人間に委譲したとしても、以上された人間の決定に組織が従って動くためには、組織を構成するものが権限を委譲されていることを事前に知らされていなければならない。
事前に権限が委譲されている事が知らされていなければ、組織的には、権限が委譲されていない状態と変わらないことになる。
故に、組織的決定は、何らかの形によって表現される必要がある。
それが、指示命令であり、儀式であり、手続きである。
手続きにも正式な手続きと非公式な手続きがあり、組織は、基本的には正式な手続きに従った事、以外は認識しない。
つまり、組織は、正式な指示、命令、儀式、手続きによって機能するのである。
この様な形は、事前に、これもまた、正式な手続きによって組織を構成するものに事前に周知徹底しておくことが前提となる。
指示、命令、儀式、手続きは情報を形に表したシンボルである。

物事を決めて、実行するのには、順序がある。

先ず方針や目標を決め。次に役割分担を決め、次に、大枠を決め、段取り、手順を決めた上で、その段取りに従って決定するのに必要な情報を集め、整理、分析した上で決定を下す。
下された決定に基づいて作業を実行し、実行した結果を報告して、軌道修正をする。
その上で最終的結果が出たら、それを、確認、評価し、個々の部分に還元し、記録保存する。

作業の順番を間違うと組織が機能しないどころか、破壊される場合もある。優に、順序づけ、優先付け、即ち、段取りが重要となる。

又、物事にはタイミングがある。
決めるべき時に、決めるべき人が、決めるべき事を、決めなければ組織は機能しないのである。
適当な時に勝手に、適当な人が、決めればいいという事ではないのである。

一週間後に決めようと決めたことを今決める必要はない。一ヶ月後に決める事は一ヶ月後に決めればいいのである。一ヶ月後に決める決めたら、今決めるのは、何を今すべきかである。

組織的決定は、薄皮を剥ぐように進められるのである。

一般に、組織を動かす手続きや段取りを軽視する傾向がある。
それは、多くの人が、手続きや段取りに意味を見いだせないからである。
手続きや段取りは形式であって無意味な事、無駄な事のように捉えるからである。
確かに、手続きそのものに意味はない。意味があるのは手続きの働きである。働きは合目的的な事でなければならず、目的が失われると手続きは形骸化する。この様な手続き、かえって組織の働きを阻害する。この様に形骸化した手続きは不用である。
しかし、かといって手続きそのものを否定する事は短絡的である。

形骸化した手続きは、組織の効率や生産性を低下させるのみでならず。組織そのものの働きを阻害する要因でもある。故に、形骸化した手続きは、組織を破壊してしまう。極力これを排除する必要がある。

自動車事故を起こすのは自動車の操作の問題で、運転をする目的とか意義で事故を起こすわけではない。しかし、車の操作それ自体に意味があるわけではない。車の操作自体は単純な作業なのである。
この点をよくよく理解しておく必要がある。

組織の運用に於いて重要なのは形式である。
打ち合わせや会議をする場合、前提となるのは、いつ、何処で、誰が、いかなる権限に於いて誰と、どのくらいの時間、どの様に打ち合わせるかであり、この様な要件は、その打ち合わせや会議の目的に制約を受けるのである。
つまり、組織を機能させる要件は合目的的な事である。
故に、手続きや作業は、予め、その目的を明確にしておかなければならない。
故に、組織にとって形式は、核心となる要因である。

手続きは、予め定義され、周知されていなければならない。
手続きの定義は、要件定義でなければならない。
要件定義とは、事実による定義である。

会議の仕方や指示の出し方などの情報を象徴する行為の基本的な形を明らかにし、標準化しておく必要がある。
しかも、形式は簡潔明瞭でなければならない。
なぜならば、関係者全員が形式の持つ意味を、迅速に、認識、識別する必要があるからである。形式が有効に機能しないと組織の迷いや乱れに繋がるからである。

ここの行為を構成する要素の働きが重要になる。
打ち合わせや会議にその打ち合わせや会議の目的に対して働きもない者を出席させる事は無駄であり、弊害でもある。

会議には、会議そのものを動かす仕組みと会議される内容とがある。そして、会議によって決定されたり、指示された事を動かす働きが別途ある。これらを混同しないように気をつける必要がある。

決定された事を機能させるのは、指示、命令である。
実行された事を終了させる行為は報告である。
即ち、組織は、指示に始まり、報告に終わる。

物事を決めたり、指示命令を受けたら仕事に置き換える必要がある。

仕事に落とすとは、無形の観念、計画とか構想を形ある物に変換することを意味する。

仕事は、作業の塊である。
仕事に対する構想や目的を先ず明らかにすることである。
その上で要件を定め。作業を洗い出す。
そして、個々の作業を順序よく、並び替え、組み立てるのである。
仕事には段取り、順序、筋がある。
それが、マネージメントである。

作業目的を設定する場合のこつは、次の作業を目的に設定する事である。目的を明らかにするのは、作業内容を特定する事にある。よく目的を抽象的で一般的な事象に設定する者がいるが、そうすると直接的に何をすべきかの方向性がつかめなくなる。目的を設定するのは、実際の作業を特定する事にある。何をすべきかを特定できないような目的を設定しても支障になるだけである。作業目的は観念でも理想でもないのである。

組織の効能は、第一に規模。第二に、生産性や効率。第三に、働きや能力。第四に、力。第五に、速度である。第六に同時性である。第七に、誤謬や不正の防止である。

先ずに組織はスケールの大きい仕事をする事ができる。例えば、ピラミッドを建設したり、道を作ったりする場合、組織に頼らなければ不可能である。次に言えるのは、大量生産というのは、組織的生産をすることで始めて可能となる。組織というのは、分業を意味する。第三に、多様な仕事を一変に処理することが組織では可能である。四番目には、組織を使うと力が発揮できる。と言うよりも強くなる。軍隊なんかは、組織的であるかないかによって勝敗が決してしまうほどである。つまり、組織は、集団を強くする働きがあるのである。五番目に、組織を活用すると多く物がスピードアップを計ることができる。そして、六番目に言えるのは、同時性である。組織は、同時にいろいろなことを進行することを可能とする。また、七番目には、相互牽制によって不正や間違いを監視がある。
そして、そのいずれの要因をも鍵を握っているのが分業である。

ただし、組織化すれば、必ず効率のよくなるとは限らない。むしろ組織で仕事する場合は効率が悪くなる場合もあるのである。その点を理解しないと組織の持つ意味は理解できない。組織というの本質的に合目的的な体系なのである。

組織というのは、個々の局面、部分的に見ると煩わしくて鬱陶しい部分がある。例えば組織には手続きが不可欠である。一人で仕事をしている場合、鬱陶しい手続きなど不要である。
また、自分の仕事の目的や状況を随時、関係する者に伝達する必要が生じる。これなども煩わしいことには違いがない。また、細々とした手続きを覚え、必要な時にそれを手順よく行使することが求められる。鬱陶しいことである。この様な手続きは、個々の局面をみると、それ相応の負荷がかかっていることは間違いない。

組織には、意志決定、情報伝達、準備、実行、監視という局面がある。そして、それぞれの局面に於いて組織は、個々の部分の働きを変換する。そのために、組織にはフィードバック機能が不可欠である。

組織は、器である。何を盛るか、何に使うかによって用途は異なってくる。
使い方を誤ると凶器にもなる。
組織は、仕組みであり、装置である。仕組みや装置の使い道を誤るのは人間であり、仕組みや装置が悪いのではない。
その点を理解しておかないと組織の運用は難しい。







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